いつまでも、歩きつづけるために。
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関節のはなし
関節痛の治療法
2009年1月26日更新
我汝会さっぽろ病院 院長 春藤基之 人工股関節置換術が一般的に行われるようになってからすでに40年以上経過しています。そして本術式は数ある外科手術のなかでも非常に良好で安定した結果をもたらしてきました。長年の痛みがうそのようになくなり、動きの悪かった関節がなめらかに動くようになり、脚をひきずらずにきれいに歩けるようになる。股関節疾患に悩む患者さんの要求をほとんどすべて満たすことのできる優れ
2008年9月24日更新
私たちが、ごく当たり前のようにしている動作にものすごい事実が隠されていることがあります。そのひとつが"2本足で歩く(二足歩行)"ということです。最近テレビなどでよく報道されていた2本足で歩くレッサーパンダ、風太くんが歩く姿に視聴者の方は驚かれましたが、"人が歩く"ことは全く当たり前のこととして考えられています。 すなわち二足歩行は、哺乳類の中でも、また現在生息している霊長類の中でもきわめて特異な
2008年5月23日更新
その膝の痛みあきらめていませんか? 長年膝を使っていると軟骨がすり減り、痛みと共にO脚などの変形が目立ってきます。痛みのため立ち上がる際に両手の支えが必要になったり、長い距離を歩くことが難しくなってきます。特に階段の昇り降りでの差し込むような痛みに悩まされる方が多いようです。軟骨が重度にすり減ってしまった場合には、人工関節が痛みの救世主と成りえます。 人は脚から老いるといわれます。脚の痛み
2008年5月22日更新
最近は目的地に正確に到着できるようナビシステムを自動車に装備することも少なくありません。人工股関節の手術においても同じ原理を用いて、より正確な手術を行うことを目的としてナビゲーションシステムがあります。このコラムではナビゲーション手術の実際について触れさせていただきます。 1.人工関節置換術とは 人工股関節置換術は変形した関節を取り除き、金属、セラミック等で組み合わせてできた人工の関節を挿入す
2008年2月29日更新
変形性膝関節症における人工関節手術 高齢化社会の到来で、膝の痛みを感じている患者さんは年々増大しています。ご高齢の患者さんの膝の痛みの原因になる最も多い病気は変形性膝関節症といいます。加齢とともに膝の軟骨が磨り減って、膝が痛む病気です。軟骨が残っている場合には、痛み止め、湿布、リハビリや膝の注射などで痛みは楽になりますが、軟骨がなくなってしまうと、人工関節が最もいい治療法になります。膝の痛みのせ
2008年2月12日更新
日本人と変形性股関節症 股関節に痛みを引き起こす病気には変形性股関節症があります。その名のとおり股関節の骨が変形してしまう病気です。関節の中には軟骨といって、関節をスムーズに動かすためのクッションが入っているのですが、それが次第に磨り減ってしまい、最後には骨まで削られてしまうという病気なのです。この病気になると歩くことが不自由になり、ひどい場合には夜も痛みで眠ることができなくなります。変形性股関
2007年11月20日更新
人工関節置換術は関節の痛みを取り除く優れた手術です。しかし、患者さんにとっては、手術のときや手術のあとの痛みがどうかということがとても気になることと思われます。今回は気になる手術後の痛みについて書かせていただきます。 手術は一般的に全身麻酔または脊椎麻酔(下半身麻酔)で行われ、それに硬膜外麻酔を追加することがあります。どの麻酔を用いても手術中に痛みを感じることはありません。硬膜外麻酔は腰に痛み止
2006年8月14日更新
私は21歳の時にバイク事故で左膝に大怪我をし、それがもとで二次性の変形性関節症になりました。事故後から膝の痛みは続いていましたが、6年前頃から症状がひどくなり、5年前(44歳の時)に人工膝関節全置換術を受けました。 痛みがひどくなってから朝起きがけは本当に辛く、5メートル程しか歩けませんでした。少し時間がたてば500メートル程度の歩行は可能になりますが、痛みのせいで「動きたくない」、「どこにも行
2006年6月5日更新
膝関節や股関節の人工関節が必要な方の多くは、いわゆる高齢者になります。破壊された関節を人工関節に置き換えることによって痛みはとれますが、人工関節のメリットは痛みがなくなるだけではありません。 膝や股関節に痛みがありますと、歩くことが困難になり、また、嫌になります。痛みがあると笑うことも少なくなり、自宅から出ることも嫌になることがあります。このような状態が続きますと、運動不足となり、どんどん身