家の中で快適にすごす
家の中をより安全な場所へ
- すべりやすい小さな敷物やじゅうたんなどは、すべり止めかピンなどで固定しましょう。新聞や雑誌は床の上に置かないようにしましょう。
- 電気コードなどは、テープで固定したり、壁に伝わせるなど工夫しましょう。
- 廊下や階段、浴室、トイレなどに手すりがあると安心です。
- 浴室にはすべり止めのマット(床・浴槽内)なども利用しましょう。
- つまづきやすい段差はなるべくなくしましょう。
- 足元灯で足元を明るくすると良いでしょう。
股関節・膝関節の負担を減らす
トイレは洋式へ
自宅が和式トイレの場合は、改造するか、また最近では、和式トイレの上にかぶせて洋式トイレと同様の姿勢がとれる椅子が市販されていますので、それらを利用すると良いでしょう。
布団からベッドへ
布団よりもベッドの方が、立ち上がるときに下肢の関節にかかる負担を減らすことができます。
畳の部屋にも椅子を一つ
和室にも椅子を一つ置いておくと、疲れたときに簡単に休めるので大変便利です。
家事
掃除などは、なるべく柄の長い掃除機やモップなどを使うと楽になります。
買い物は、買物カートを利用し、直接重いものを持たないようにしましょう。
台所に椅子を置くと、座って作業ができるので便利です。椅子がなくても、痛い方の足を低めの台に乗せておくだけでも楽になります。
あると便利な道具
日常生活で関節に負担がかからないようにしながら、少しでも生活しやすく、様々なことをできる限り自分でできるように助けてくれる便利な道具を紹介します。
くつ下エイド
くつ下をはく手助けとなります。くつ下にかぶせ、中に足を入れてヒモを引き上げて使います。
シャワーチェア
お風呂の洗い場で使用するいすです。座面の高いいすを使用することで、あしを深く曲げる必要がなく、関節への負担軽減に効果的です。
リーチャー
遠くのものを引き寄せたり、床に落ちたものを拾ったり手の届かないところのものをとるときに便利です。
携帯用トイレ
外出先で洋式トイレが無い場合に便利です。
旅行用品店やアウトドアショップなどで購入できます。
屋外での活動
正しい杖の使い方
- 片足にかかる力を軽減します(それにより病気の進行を遅くする場合もあります)。
- 歩行時の体のゆれをおさえます(ころぶ危険を少なくすることができます)。
関節に痛みがあると、足に体重をしっかりかけることができず、歩いたときなど体や左右に揺れ動いて不安定になることがあります。杖を持つと、重心が左右に振れず、歩く姿も安定します。
杖の種類
痛みと関節の状態によって杖を使いわけます。
医師や理学療法士に相談しましょう。
杖の長さ
- T字杖: 立って腕を自然に下ろしたときの手首の高さを目安にします。
- ロフトランド杖: 歩行時の体のゆれをおさえます(ころぶ危険を少なくすることができます)。
- 松葉杖: 足先より15cmほど外側に杖先を置いて、肘を軽く曲げた状態(約30度)で握りを持つ。わきの下は指3,4本程度あける。
杖の使い方
杖は痛い方の足と反対側の手で持ちます。例えば、左側の関節が痛いときは、右手に杖を持ちます。
杖と痛い方の足を同時につくようにします。
階段の昇り降りのポイント
- 手すりがある場合はそちらも利用しましょう。
- 階段の上の段に、常に良い方の足があるように昇り降りしましょう。 …昇るときは、良い方の足から …降りるときは、痛い方の足から
靴選びのポイント
下肢の関節にやさしい靴を選びましょう。
運動をするときの心得
次のようなことを頭において運動するとよいでしょう。
- 散歩などではできるだけアスファルトを避け、公園など芝生の上を自分のペースで歩きましょう。
- 運動のあとで関節が痛まない程度にする。
- 関節がきしまないようにする(飛び跳ねたり走ったりしない)。
- 気持ちよくおこなう。
- 必ずウォーミングアップ(準備運動)とクールダウン(整理運動)をおこなう。
自転車にのる
- 下肢の関節に負担がかからないように、なるべく平坦な道を選びましょう。
- サドルの高さは、ペダルが一番下にあるときに膝が軽く曲がっている状態が目安です。また運転中はサドルから腰をうかさないように(立ちこぎしないように)しましょう。
体重管理と栄養管理
体重を管理する
肥満の場合には、股関節や膝関節により多くの負担がかかります。 手術を受けていない人も、人工関節の人も、関節を長持ちさせるために体重コントロールを心がけましょう。
肥満度チェック
18.5未満 | やせ |
---|---|
18.5以上25未満 | 標準 |
25以上30未満 | 軽度肥満 |
30以上35未満 | 中程度肥満 |
35以上40未満 | 高度肥満 |
40以上 | 超高度肥満 |
BMIとは、国際的にも認められている、肥満・やせの基準です。日本人の標準値を男女ともに22です。 これは、統計的に疾患が最も発生しにくく、長生きできる数値を標準値として採用したものです。 標準体重を大きく越えている方は、減量の必要があります。しかし、無理な減量は危険ですし、栄養をきちんととることは大切なことですから、必要な場合は医師、栄養士に相談しましょう。
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食育大事典のホームページ
骨粗しょう症と骨折予防
骨粗しょう症は、年齢とともに骨がやせて(骨密度の減少)、骨折しやすくなる病気です。女性ホルモンが関係していて、閉経後の女性に多いのが特徴です。 正常な人でも年齢とともにある程度の骨密度の減少はありますが、その減少が著しいと、骨の構造が壊れて骨は非常にもろくなり、折れやすくなります。ちょっと尻もちをついたり、転んだ拍子に手をついただけでも、簡単に骨折するようになります。高齢者の自立やQOL(Quality Of Life=生活の質)を低下させる問題の多い病気です。 骨粗しょう症による骨折を予防するために、日頃の生活習慣を見直しましょう。
骨折予防の3つのポイント
- カルシウムを1日600mg以上とりましょう。
- 適度な運動を心がけましょう。 軽い運動(散歩、水泳、ゲートボールなど)を毎日30分程度おこなっても良いでしょう。
- 日光浴をしましょう。 骨の基になるビタミンDを活性化します。